「昔とったきねづか」という催眠
最近毎日のようにYoutubeで
ミシンで縫い物をしている動画を見まくって
学んでおります。
母親がオートクチュール専門で仕事をしていた洋裁のプロだったので
生まれたときから
職業用の足踏みミシンと共に生きていたし
小学生のころからフツーに足踏みミシンを使いこなしていた
(家庭科の宿題のパジャマは母親が縫ったけど)
だから、「昔とったきねづか」なので
何も習わなくてもだいたい何でも縫える、、くらいに
思っていたわけで
縫い方の手順や裁断のラインも
だいたい頭の中に降りてきたとおりに
しるしひとつつけることなくテキトーでやってしまう。
が、ある時ふと見かけたYoutubeの動画で
目の前がパァーっ!と開けるような
目の醒めるような思いをした。
それ以来、その動画を見まくって
日々勉強している、というわけ。
動画を見れば、縫いながら何をしているかはわかるので
頭に、とにかく叩き込む。
そんなことをしていたら
突然縫い物のオーダーが来るようになって
今回も
難易度マックスの「しじみ袋」を縫った。
(唯一「しつけ」をして縫う作品)
もともとあった型紙をサイズ変更して、、
ただでさえ難しいところ、
よけいに難しくなったが
どういうわけか、数年前に作ったときよりも
数段キレイにスムースに縫いあがった。
動画によるイメトレの賜物だなぁ~。
そんなことをして、昨日
どえらいものを発見してしまった。
かれこれ8年くらい使用している家庭用ミシン
それなりの上位機種で
今でも十分縫ってくれる。パワーもある。
写真に写っている「ハサミマーク」。
これはオート糸切りボタンなのだが
…知らなかった。
いや、見てはいた。ハサミがあるなぁ~くらいに
思っていた。
縫い終わると自分でシャッ!と押さえを上げて
ハサミで糸を切る、という
一連の流れ作業を何の疑いも無く
ハイ慣れてますから、のテイでやっていて
それで、昨日、ふと気がついてしまった。
ひょっとしてこれ、オート糸切りか?
縫い終わった後、恐る恐るハサミマークのボタンを押してみると
ギィー、ガチャ
とかいって
勝手に糸が切れて針が上がるではないか。
しかも上糸も下糸も両方下に出て
程よい最低限の長さで切れている!
う、美しい。
これでよかったのかー。
それでもう、今日はハサミマークを押しまくって
手際がんまぁ~よろしいこと。
仕上がりが確実にきれい。
それで思ったわけ。
「昔やってたから慣れてるし」
「若い頃やってたからわかってる」
という催眠があるな、と。
目の前にあるのに
見えてない。見ない。見ようとしない。
布ものの世界もずいぶん進化しているなぁと
凄く感じて今は楽しんでいるけど
少し前までは一切受け入れる気が無かった。
知ってると思い込んでいるしね。
目を閉じてしまっていた。
寝てるのと一緒だ。
古いやり方に固執していた、ということが
なんだかもったいない気がする。
いや、そんなことを
お花の仕事をしながらよく感じていたなぁ。
経歴が長いと損なところもあるな
なんて。
何も知らないからこその視点というものがあって
そこが新しさになってビジネスとして展開する。
ホント、他人のことが気になるうちは
ほぼ100%自分がそういう要素を抱え込んでるからね。
はぁ、びっくりした。
これからも謙虚に勉強して
うちにある布を使いきるまで
いっぱいいろんなもの作ろう。
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